未経験からWebコーダーへの就職を目指すなら、資格は取らないでください

Web制作

私は今、「HTML5プロフェッショナル認定試験」という資格を取得するための勉強をしています。
この資格そのものに関して詳しくは語らないので、詳しいことを知りたい方は公式サイトをご確認ください。

Web資格なら「HTML5プロフェッショナル認定試験」公式サイト

今回の記事で論点としたいのは、

未経験からWebコーダーに就職するための資格取得

についてです。

最初に明記しておきますが、今回はあくまでも私の持論になるのでこれが正解だというわけではありません。
ただ、実際に未経験から職業訓練校を経てWebコーダーになり、そして現在資格取得に向けた学習中、という私の経験から導き出された考えなので、何かの参考としていただければ幸いです。

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資格は、いりません

あなたが今、Webコーダー目指して就活中なら、資格は取らないでください

え、今まさに資格取得目指してる人が何言ってるんだ??

と思うかもしれませんが、私はこう考えています。

Webコーダーを目指しての就活時点で、資格を取る必要はありません。
むしろ取らないほうが良い、とも思っています。

ポイントになるのは「就活中なら」という部分です。
どういうことなのか、これから理由を解説していきます。

ここではWebコーダー限定としますが、これは私自身がWebコーダーとしての立場から言っているからであって、デザインなどについては専門ではないためです。

なぜ資格を取らないほうが良いのか

未経験からWebコーダー就職を目指す学習段階で、資格を取らないほうが良い理由は2つあります。

  • 自分でコードを書いて動かすことがおろそかになる
  • そもそも、未経験の時点ではまだ早い

ひとつずつ解説します。

自分でコードを書いて動かすことがおろそかになる

「資格勉強」というとどうしても、テキストを読みノートを取ったり、あとは過去問題や模擬問題をひたすら解いたり、のような学習法になってきます。

未経験からの就職を目指すという段階においては、知識を伸ばすことも必要なのですが、それ以上にまず自分で実際に手を動かしてコードを書き、そのコードを動かしてみるという経験が必要です。つまり自分で実際にコードを書いて学ぶべき期間なのです。
その期間に資格勉強を取り入れてしまうと、ゴールが「就職」から「資格取得」にすり替わってしまいます。そうすると、資格取得のための過去問や模擬問題への取り組みが主となってしまい、自分でサイトを作ったり、コードを書いたりする時間が失われてしまいます。

そしてこうなってしまうと懸念されるのが、頭でっかちになってしまうことです。
つまり「知識だけが溜まり、実践力が養われない」ということです。

Webコーダーは実際にコードを書きページを構築できるか、という実践勝負な部分が大きいです。そのため未経験から就職を目指して学習する段階では、ポートフォリオサイトや作品を制作できるだけの必要最小限のインプットにとどめ、その後は就職が決まるまでひたすら作品を作ってアウトプットを多くするほうが効果的です。

資格勉強は大量のインプットをする行為なので、勉強して力が付いた気になってしまいます。でも、どれだけの知識を持っていても、それを実践で使うことができなければ「採用したい」と企業に思っていただくのは難しいでしょう。

そもそも、未経験の時点ではまだ早い

実際に勉強を始めてみて思ったのですが、資格取得で勉強することは、学習を始めたばかりの段階の人には不要な知識も多くあります。
それぞれの資格問題の内容にもよるところはあるかもしれませんが、めったに使うことのないタグやコードの書き方などがテキストで解説されていたりします。

未経験の段階では、その中の「どの知識が実際に重要で、どの知識が素通りしてよいものなのか」を現場レベルで認識できません。
仕事としてコーディングを経験してから勉強すれば「ここはあまり使うことのない知識だから、あくまでも資格勉強として捉えておけばいいか」という情報の取捨選択ができます。でも、未経験の状態で資格勉強を始めてしまうと、テキストの中すべてが超重要知識で、すべて覚えなければいけないといった気持ちになりがちです。結果として実践の時に混乱してしまったり、最悪難しすぎて勉強に挫折する、みたいなことにもなりかねないのではないかと思います。


まとめると、

  • 自分でコードを動かす学習がおろそかになり、頭でっかちになってしまう
  • どの知識が重要なのかを判断できず、混乱したり挫折したりする可能性が高まる

ということになります。

Webコーダーは、技術職ではあるのですが必須資格がないちょっと変わった職業だと思います。資格がなければ就職できない、というわけではありません。むしろ資格はそこまで重要視はされませんし、もしかしたらアピールにすらならないかもしれません。

じゃあ資格って無意味なの?どうすればいいの?

ここで終わってしまっては、単に資格取得を批判して終わるだけになってしまいますね。
私は資格取得自体を批判したいわけではありません。ではどのような資格取得が有効だと考えているかもお話をしましょう。

何度か私自身も現在資格取得に向けて学習中です、と書きましたが、なぜ私は資格取得をしようとしているのでしょうか。
それは自分のタイミングと目的を考慮して、結果として資格取得をすることを決めたからです。
大切なのはこの「タイミング」と「目的」です。

タイミング

私が資格を取らないほうがいいと言ったのは、あくまでも「未経験からWebコーダーへの就職を目指す」時点での話です。

私がWebコーダーとして働き始めてから10ヶ月ほど経過しました。0からの開発経験はなく、既存ページの修正やテンプレートを基にした新規ページの制作などの仕事をしています。10ヶ月間、日々の業務にあたりながら私はこう考えるようになりました。

葵

もっと知識がないと対応できなくなる時が来るかも…?できることが狭いままなのでは…?

より幅の広い仕事を任せていただけるようになるためにも、知識を広げるべき時期に来ていると思いました。そのタイミングで、今回学習に取り組むことになった「HTML5プロフェッショナル認定試験」という資格の存在を知り、これだ!と思ったのです。

目的

先ほどの「タイミング」でお話ししたところと被りますが、この先もっと仕事の幅を広げるために知識をつけたい、という考えになったことが、そのまま資格取得の勉強をする目的になりました。

これはこの記事の前半でお伝えしたような「就職のアピールのため」という目的ではありません。つまり「この資格を取ることで自分にどんなリターンがあるか」を考えた結果です。取得のための学習を通して得られる知識を仕事に活かせば、より良いコードが書けて成果物を良いものにできることでしょう。

インプットとアウトプットのバランス

資格勉強を始めた理由が実はもう一つあって、それは「インプットとアウトプットのバランスを取りたかったから」です。

実務は、1日8時間コードを書く、もしくはどう構築すればよいサイトが作れるのかを考えたりする時間になります。要は8時間すべてがアウトプットになるということです。

  • 学習時→インプットに逃げがちで、アウトプットすることをためらう
  • 実務→1日8時間アウトプットとなり、インプットしたくてもするタイミングがあまりない(会社による)

本来、インプットしたことをアウトプットする、というのが自然な流れです。
学習期間中はわからないことだらけですし、とりあえずテキストを読んだりコードを写し書きしてみたりといったこと(インプット)を周回してしまい、自分の力でモノを創るアウトプットを避けがちになる人がいます。正直に言うと、訓練校時代の私にもその傾向がありました。

反対に、仕事を始めると基本的に勤務中は常にアウトプットすることになり、インプットする時間はあまりありません。就業時間内に研修をしてもらった時や終業後に自宅で学習するなら別ですが、それをしない場合はインプット量がかなり減ることになります。会社やチームによってはインプットの時間を設けてくれることもあるかもしれませんが、それでも就職前の学習段階とは比にならないくらい短い時間なのではないかと思います。

つまり、学習期間中と実務に入ってからはインプットとアウトプットのバランスが変わることになります。

私は実務についてから、いっときアウトプット過多でなんとなく不調になっていた時期がありました。今思えば、コードを書くという作業自体があまり楽しくなくなってしまっていたんですね。家で勉強しようと思っても何から手をつけていいのかわからないような状況にもなっていました。

そんな時に、資格取得をしてみようかということになって勉強を始めました。すると、仕事ではアウトプット・家ではインプット、という流れが生まれてバランスが取れるようになってきました。
足りなくなっていたインプットの部分に資格の勉強を利用したような形にはなりましたが、そのおかげで精神的なバランスも取れ、能動的に学習ができるようになり知識も増えるのですから一石二鳥の気分です。


このように、「就活時のアピールのため」の資格取得ではなく、「自分の血肉にするため」の資格取得なのであれば、それは大いに挑戦する価値があると思います。
その結果自分のスキルアップにもなって、良いプロダクトを作れるようになることでお客様にも喜んでいただけて、それが会社に良いリターンをもたらせば、それはかなり実のある資格取得だと思います。

まとめ

今回は自分自身の経験から、「資格取得」について考えてみました。
Webコーダーは資格がなくてもできる仕事である分、より効果的な資格の活用方法を考える必要もあるかと思います。

「技術職だから資格を取らないといけない」「就職のアピールのために資格を取る」という常識はいったん捨てて、その資格が本当に今の自分に必要なのかを考えてみるのも良いのではないでしょうか。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

この記事を書いた人
葵

28歳未経験から、職業訓練校を経てWebコーダーに。
日々の勉強の記録や、普段使用している技術やツールなどを書き残すためにブログをはじめました。
どうぞよろしくお願いいたします。

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