【後編】「ぶっちゃけ、どうだった?」訓練校卒Webコーダーが語る職業訓練校の実態

職業訓練校

Web(HTML)コーダーとして働かせていただくようになって半年以上が過ぎました。
そもそも私がWeb制作の世界に入るきっかけとなったのは、昨年(2019年)に通所した職業訓練校でした。

今回は、その職業訓練校時代を振り返って記事を書いてみたいと思います。
「なぜ通うことを決めたのか」「勉強やクラスはどうだったのか」「良かったことや考えたこと」など、訓練校での生活そのものにフォーカスを当て、前後編に分けて振り返ってみます。
これからWeb系の職業訓練校へ通うことを考えている方にとってのひとつの参考となれば幸いです。

後編である本記事では、実際に訓練校に通ってみて良かったこと・思ったことをお話しします。

それではいきましょう!

前編はこちらから読めます↓

このお話はあくまでも、すべて私が経験したケースでのお話となり、すべての訓練校に同じことが当てはまるわけではありません。
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訓練校に行って良かったと思うこと

「訓練校に通って良かったな」と思うことは、私はたくさんあります。

独学では途方もない道のりに見えた技術の習得がとても早くできた

独学でやっていたとき何が大変だったか。そのひとつは「概念の理解」だったと思います。
たとえばボックスモデルの考え方。たとえばfloatの使い方(これが一番苦労した)。こういった「概念」を理解する必要のあるものはどうしても難しいと感じていましたし、まさに着地点の見えない途方もない道のりに見えていました。
でも職業訓練校で先生から説明を受けてみると、学習サイトをいくつ読んでも理解できなかった概念がスルッと理解できたことが何度もありました。

担当になる先生によるところも大きいとは思うので、一概にすべてが「早くわかるようになる、完璧にできるようになる」とは言いませんが、少なくとも私が通ったクラスの先生は概念の部分をしっかりかみ砕いて教えてくださる先生だったので良かったかなと思います。

一緒に勉強する仲間ができた

前編の「結論」のところで書いた「一種の副産物的なもの」というのはココです。

私は通うことを決めた当初、自分自身の知識や技術の増強にしか目を向けていませんでした。
しかし実際に通ってみたら、クラスメイト同士互いに認め合ったり助け合ったりしながら勉強に取り組む場面がたくさんありました。

今でも何名かはTwitterでもフォローしあっていますし、一部のクラスメイトとは時々Skypeでもくもく会をやったりするまでの仲になりました。そのほかの皆さんも私にはない良いものをたくさん持っていて、本当に勉強になりましたし助けられたことも何度もありました。

そうした仲間に恵まれたというのは、最大の「職業訓練校に通って良かった」と思ったことですね。訓練校に通わずに独学を続けていたら、そのつながりを得ることは難しかったでしょう。

SNSなどでつながること自体は難しくない世の中になりましたが、私の場合はもしかしたら人と一緒に勉強するということに目を向けなかったかもしれません。人と一緒に勉強に取り組むことのすばらしさを教えてくれたのは、まぎれもなく職業訓練校のクラスメイトたちです。

いろんな年代・性格・背景の人が同じクラスで勉強するので、多様な考え方を持つ人たちと話をすることができた

職業訓練校は結構特殊な環境です。一般的にいろんな年代・性格・背景の人が集まる場といえばやはり職場になるでしょう。職場は「働く」「収入を得る」ということがひとつの目的になる場所ですし、上下関係も「上司」「部下」といった関係性となってきてその間にわりと大きな隔たりがあります。
しかし職業訓練校は、同じようにいろんな年代・性格・背景の人が集まる場ではあるのですが、目的が「勉強」となり、上下関係はほとんど存在せず強いて言えば「先生」と「生徒」くらいです。

つまりそれは、様々な年代の・様々な経験を積んだ人たちと立場による隔たりなく話ができるということになります。これはかなり貴重な経験です。
私がいたクラスはとても年齢層の幅が広くて、20代前半の方から70代の方までいました。それぞれの背景を持ち、いろいろなところでいろいろな経験を積んできた方々と話ができたのは自分の世界を広げることにもなったので、とても良い経験でした。

訓練校で難しい・うまくいかないと思ったこと

良かったと思う事ばかりでなかったこともまた事実です。「職業訓練校は特殊」と述べました。それは良く捉えればメリットになる半面、そうでない側面を見せることもあります。

Web業界への就職ハードルは結構高い

職業訓練校からWeb業界に就職するというのは実はそこまで簡単なことではありません。私は運よくコーダーとして雇っていただくことができましたが、クラス全体から見るとそうした人はかなり少数派でした。

Web業界は技術職ということで、そもそも訓練校を修了してすぐの状態で受け入れてくれる企業がかなり少ない傾向にあります。そうした状況の中で業界就職しようとするのであれば、まずは少なくとも授業時間以外でも自主的に学習や制作に打ち込むことができなければ正直言って難しいと思います。
Web制作は技術の進歩が速く、自分で勉強していける人でないとなかなか評価してもらえません。たとえば勉強がうまくいかない時に「テストで合格点を取らなければ追試になるから」「先生が教えてくれなかったから」といった学生時代のような外的要因を理由にしていると、うまく技術を身に着けることはできませんし、業界就職はかなり厳しい道のりになると思います。

また、これは訓練校時代に周りを見ていて思ったことですが、授業に加えてしっかり復習&自主制作といった活動に能動的に取り組むくらいのレベルで学習している人でないと、そもそも企業に提出できるレベルのポートフォリオを制作すること自体、結構難しいのではないかなと思います(CMSを使用せず自分で1からコーディングする場合は特に)。

さらにそこに応募先企業側の状況が絡んだり、すでに働いている方々との相性などといった自分ではコントロールすることができない面も含めて総合的に判断されるので、訓練校→業界就職へのハードルはかなり高いものになっていると感じました。私も今の会社に採用をいただくまで、結構いろんなところに書類を出したり見学や面接に行ったりしたのですが、なかなか難しかったです。

何かと勉強だけには集中できない

給付金ももらえて就職支援も受けながら勉強することができる職業訓練校は、基本的には集中して学習に取り組める環境が整っています。ただそれぞれに家庭状況も違いますし、事情を抱えている人もたくさんいます。
自分自身が置かれる状況によっては、意外と勉強だけには集中できなかったりすることもあります。

バイトしながら通わなければならない、子供がいるなどの家庭事情が絡むとめっちゃ大変

私がまさにそうだったのですが、経済的な事情によってはバイトをしながら通わざるを得ない方もいると思います(求職者支援訓練は条件付きでバイトOKです。詳しくはハローワークへ問い合わせてみてください)。そうなると、意外と自宅での学習に充てる時間が短くなってしまったりして、結構大変でした。

私は昔バイトしていたところへ出戻りしたのでそんなに仕事を覚える苦労はしなかったのですが、そうでない場合が大半だと思うので、勉強はしなきゃいけないわ、ポートフォリオは作らなきゃいけないわ、就活しなきゃいけないわ、バイト先の仕事は覚えなきゃいけないわで大忙しになります。私は高校時代も似たような生活をしましたが、高校時代の勉強と訓練校の勉強はわけが違います(そもそも高校時代は家で勉強なんてしなかったし 笑)。訓練校の勉強は就職に直結するので、今になって思うと案外ナーバスになっていた気がします。「業界で働きたい」という意思が強かったので余計にそうだったんでしょうね。

バイトしながら勉強するのは楽じゃないです^^;(画像はイメージです)

訓練校での授業を軸に、自分自身の勉強(訓練校のカリキュラム外の技術・知識など)・ポートフォリオ制作・就職活動という作業がある中でバイトが入ってくる、というかなりのマルチタスクをこなさなければならなくなります。私は訓練校とバイトを並行していたころは「勉強に集中できない!」というフラストレーションが実は結構溜まってました(笑)。今は仕事自体がコーディングなので、精神的な負担は訓練校時代と比べ物にならないくらい減りました(その分、実は訓練校時代よりも収入は落ちましたw)。

あと、私が通ったクラスは小さいお子さんがいらっしゃる方も何人かいました。私には子供がいないので経験はしていませんが、平日は保育園に送り迎えしたり、休日は子供の遊び相手をしたりしながら就職のための学習をすることはとんでもなく大変だったと思います。お父さん・お母さん業だけでも大変なのに、訓練校に通って勉強をしている方々には本当に頭が下がります。

クラスでトラブルが起こることもある

わりと大人数(私が行った訓練校では最大20人のクラスまでありました)でのクラスになることもザラなので、人対人のトラブルが起こることはあります。学校でも会社でも人対人のトラブルというのはあるわけですが、当然のように訓練校にもあったりします。こればっかりは訓練校だからというよりも、人が複数人集まれば避けては通れないことです。

これはもう、実際行ってみないと何が起こるかわからないことですし、もしかしたら何も起きないかもしれません。

仮に訓練校を検討までしていたとして、それが嫌だからという理由で行く前にやめてしまうのは、個人的にはかなりもったいないと思います。もしもトラブルが起きたら起きたで、その時に対処していくしかないので割り切るしかありません。

訓練校から就職した先でもトラブルというのは起こるわけですし、何度も言いますが訓練校に限らず人と共同生活をしている時点でトラブルはつきものだと思っておいたほうがいいです。なのでこの部分に関しては、受講検討時はあんまり気にしなくていいと思います。

まとめ

今回は【「ぶっちゃけ、どうだった?」訓練校卒Webコーダーが語る職業訓練校の感想】の後編をお届けしました。

前後編にわたって、職業訓練校に通ってどうだったか、良かったこと、大変だと思ったこと、いろいろ語らせていただきました。
ここに記したことはあくまでも私が経験したこと・思ったことであり、必ずしも「訓練校はこういうものです!」と断言する意図で書いたものではないことをご了承いただきたいと思います。

今は新型コロナの影響もあって思うように授業ができていない訓練校も多いかと思いますが、これから訓練校に通おうと思っている方の参考のひとつとなれば幸いです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

この記事を書いた人
葵

28歳未経験から、職業訓練校を経てWebコーダーに。
日々の勉強の記録や、普段使用している技術やツールなどを書き残すためにブログをはじめました。
どうぞよろしくお願いいたします。

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