【座右の銘】「お前は『仕事がうまくできない人の気持ち』がわかる」【最高の上司】

その他・雑記

上司、特に若い頃に出会う上司って大事なんですよね。
ふとかけられた言葉が、その先の自分の指針になったり、生き方を左右するようなこともあると思っています。

最近いろいろ考えているうちに昔を思い出して、一筆書きたくなりました。
今日はちょっと指向を変えて、私が昔出会ったある上司の話をしたいと思います。
はい、そうです。いわゆる自分語りというやつですね(笑)。
まあコーヒーでも飲みながら、のんびり暇つぶしに読んでいただければ幸いです。

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初めての「仕事」。何もできなかった高2、春。

私が初めて「仕事」というものをしたのは高校生の頃の飲食店のアルバイトでした。
高校2年生の春。友人に紹介してもらい、1年遅れの高校バイトデビューでした。

初めて「仕事」という現場を目の当たりにしてびっくりしたのもありつつ、スピード命の現場で全然仕事が覚えられませんでした。
まったく役に立てなくて、お店の人に「邪魔だよ!どいて!」と言われてしまうくらいの酷さ(笑)
紹介してくれた友人にも、後々になって「最初、紹介したのは失敗だったと思った」と言われるレベルでした(笑)

今の私の信念を創った、店長のひとこと。

続けていればそれなりになっていくもので、気づけばお店の中では主力選手に近いところまでになっていました。当時の店長から「新人教育を担当しろ」と言っていただけるまでに。

私は最初、その打診を断っていました。自分には人を教育できるような力も素質もないと思っていたからです。たしか何度か打診されたような記憶があって、その度に断っていた気がします。

でもある日、そんな私に店長が掛けた言葉で、私はその打診を受けることにしました。私はその言葉を、今までの人生で一度たりとも忘れたことはありません。

「お前、入りたての頃まったく仕事ができなかったんだろう? でも今はどうだ。クオリティもスピードも、先輩や〇〇(友人)に負けないくらいになった。

お前は『仕事がうまくできない人の気持ち』をわかってあげられるんだから。

うまくいかなくて落ち込んだり、悔しい気持ちがわかる。 最初は全然できなかったお前でもここまでになれるんだって、同じように仕事ができなくて悩んでいる人たちに教えていけばいい。 そういうことを伝えられるリーダーも必要なんだよ。

この言葉で、私は「そこまで言っていただけるなら」と、新人教育の担当を引き受けたのです。

何もできなかった、こんな私にも果たせる役割がある。

店長は私が入社した当時はまだ違う店舗の担当だったため、入社当時の私のことは知りません。
きっと、友人や他の社員の方からどんな様子だったかを聞いていたのでしょう。

当人である私は、最初の頃は店長が言うように、何もできないでただ立っていることしかできない自分が悔しくて、友人に合わせる顔もないし、バイトに行っては落ち込む毎日を過ごしていました。
そしてその日々は、私の中のいわゆる過去の古傷のようなものになっていました。その古傷があったからこそ、私は「人に教えられることなどない」と思っていました。

でも、その店長の言葉は私の考えとはまるで違っていました。
「せっかく負った傷があるのなら、その傷をしまい込むのではなく、生かせ」と言われたような気持ちでした。
こんな自分にも果たせる役割があるんだ。
そう思わされました。

今も心に刻み込まれた、最高の上司の教え

スタート地点はここで、現在地はここ。
それまでの過程で何を感じ、学んできたか。
その経験を使って自分は何ができるのか。

当時30代前半のちょっと口の悪い店長は(笑)、高校生の私にとてもシンプルな言葉でそれを説きました。 何もできない、ちょっと内気なただの高校生だった私に、「社会的な役割」を与えてくれたのです。 当時の私は、その言葉にとても心を動かされた気がしました。

こう言ってしまうのもなんですが、後にも先にも、店長以上の上司に私は出会ったことがありません。 29年間生きてきて、店長のこの言葉以上に心に響いた上司の言葉はありません。
私にとって店長は、今も最高の上司であり続けています。

あと数年で私は当時の店長の年齢になりますが、そのとき、自分は後進の人たちに同じような道標を与えてあげることはできるんだろうか、とふと考えることがあるくらいです。
店長からすれば私は大勢いる中のいち従業員だったはずですが、そこまでスタート地点・現在地・そしてこれからの道筋を的確に、しかもそれを本人がモチベーションに転換できるような言葉で伝えることができる人はそういないなぁ、と今になると思います。
店長本人がそこまで意識して言っていたのかはわかりませんが、少なくとも私の心は動いたわけなので(しかもかなりの年数がたっても刻み込まれてますし)、人の心を動かすのが上手な人だったんだな、と思います。

今だからできる別な見方をすれば、うまいこと教育係に誘導したなあ、とも思いますが(笑)。

人は「自分が最初は何もできなかったこと」を忘れていく生き物

私は、人は「自分が最初は何もできなかったこと」を忘れていく生き物だと思っています。
それは、こうして偉そうに(笑)記事を書いている私も同じです。
最初は何もできなかったのが、日々が過ぎるうちに慣れ、できるように成長していきます。
その成長の過程で、人は自分が「できなかった」ことを忘れてしまい、中にはいわゆる「デキない人」をいじめたり蔑んだりしてしまう人もいます。そうしていじめている側の人も、初めの頃は何もできなかったのに。

私は今年30歳になります。
「初心忘るべからず」という言葉がありますが、日々の仕事の中で、生活の中で、友人関係の中で、初心を忘れてしまっている瞬間はきっとたくさんあるだろうと思います。

だから、私は定期的にこの店長の言葉を思い出すのです。
初めて「仕事」というものをした高校生の頃の、あのいたたまれない気持ちを“あえて”思い返すのです。
自分が何もできない人間だったのだということを忘れないためにです(今も大したことはできませんが 笑)。
それを忘れない限り、私にはまだ果たすべき役割が残っていると思えるからです。
それを忘れてしまった瞬間に、私が社会的に果たすべき役割もきっとなくなってしまうだろうと思っているからです。

店長にかけられたこの言葉は、きっとこのさき一生、私の中の指針であり続けると思います。

店長との出会いのおかげで、初心を忘れずにいられる。

私は高校生というかなり若い時代に、この店長に出会えたことは幸運だったと今も思っています。
店長がその言葉をかけてくれたからこそ、私は29歳になる今までもずっと、自分の初心(少なくともあのデキない高校生だった頃に感じた悔しい・悲しい気持ち)を忘れることなく、今まで生きてくることができたからです。

私は住む場所が変わってからも、近所にある同グループの店舗で働き続けていましたが、その理由の一つには「店長にまた会えるかもしれないから」という思いもありました。
結局、会えずじまいでしたが。
せめて、もう一度お会いして、当時のお礼を言いたいなぁという気持ちがずっとあります。
ただ、当時私が働いていたお店も無くなってしまっていて、まったく消息がつかめなくなってしまったので、叶わぬ夢かもしれませんが。

まとめ

私がこの記事で言いたかったのは、

  • 上司、特に若い頃に出会う上司の存在は大きい
  • 誰のもとで仕事をするか、誰に何を教わるかは非常に重大なこと

ということです。

新入社員として入社するとき、自分で上司を選ぶことはできません。
でも、「自分がどういう上司になるか」を選ぶことはできると思います。
自分が誰かの上司になったとき、誰かの先輩になったとき、この店長のようにひとりひとりを気にかけられる人間でありたいと思います。
ふと私がかけた一言が、相手の人生を左右することもあるかもしれませんから―。

この記事を書いた人
葵

28歳未経験から、職業訓練校を経てWebコーダーに。
日々の勉強の記録や、普段使用している技術やツールなどを書き残すためにブログをはじめました。
どうぞよろしくお願いいたします。

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